私たちはしばらく無言で歩いた。
それを破ったのは部長。
「ところで、雛沢の家どこ?」
「あ、ここで大丈夫です」
実は家の方向とは真逆だった。
なんも考えないで歩いてたから、周りなんて見てなくて気づかなかった。
「いいから、どこだ?」
部長、何が何でも送ろうとしてくれてる?
ってか、今更逆なんです!なんて言えない。
「いいえ、部長も疲れてるだろうから。
早く帰って休んだほうがいいんじゃないですか?」
「俺は大丈夫だ。
早く家の場所言えよ」
あ〜もうどうにでもなれ!
「実は………逆方向なんです、家」



