星降る空で抱きしめて【上】~女子校英語教師と生徒の恋の場合

それから南条は部活の度に準備室に顔を出して声を掛けてくれるようになった。

俺もまた南条が英語教室で宿題なんかやっている時には気に留めて見るようになった。



そんなことが1ヶ月くらい続き、期末試験を終えると学校はいよいよ夏休みを迎えた。



海外在住時代、俺はラクロスをやっていたことがあって、ラクロスはないにしろ、いずれはここでも運動部の顧問をしてみたいと思っていた。

そんな話をしていたからか、夏休み前、宇都宮先生が自身が顧問している映研の合宿に見学かたがた来てみないかと誘ってくれていた。

夏休みは日々の雑用に追われることなく、普段出来ないことを手広く勉強と思ってやってみたいと思っていたので、俺は一も二もなく参加することにした。



その合宿が夏休みの早々にあった。



合宿では俺は特にこれと言ってすることがあるわけではないが、宇都宮先生を手伝って部員の撮影に同行して危険がないよう監督するのが主だった。

いつもは中学生の授業を担当している俺が珍しくいるので、高校生達は面白がって絡んでくれた。