こころを、



彼と出会うまでの私は酷いものだった。


睡眠も栄養もとらずに仕事を詰めた状態で、いま思えば異常な迄の過活動。空いた数時間は嘔吐や自傷、1日休めれば市販薬を過剰摂取しては意識を飛ばすような生活。


「腕、どうしたの?」

新しく増やした仕事場に入ってから数ヵ月、まるで自分が怪我したかのような痛そうな顔をして聞いてきたのがいまの彼。私に仕事を教えてくれていたのが彼だった。


普段だったら笑って誤魔化すのに。

常備しているカッターを腕に当てて引く動作で答えた。