作家たちの話

「祠の中」
雨が降っていて、町はどんよりとしていました。友達と別れ、一人で歩くのは心細いです。

淡路 昌行(あわじ まさゆき)君は、水色の傘をさしてとぼとぼと歩きます。

昌行君の目に、濡れた木の板が映りました。もう少し進むと、祠だということがわかりました

無事に帰れるようお祈りしていこうと思い、手を合わせました。
ぎゅっと目を閉じた後、ゆっくり開けました。

木の格子戸の向こうが気になりました。昌行君は、じーっと中を見詰めました。

白い布にくるまれた、汚れた白い人形のもの。真っ黒な長い髪で、顔は描かれていません。布だけ真っ白なのが不気味でした。

横には二枚の古いお札が並べられています。赤でよくわからない文字が書かれています。

昌行君は怖くなってすぐに祠から離れました。
神様を怖いと思うのは失礼かなと思いましたが、見ると鳥肌がたちました。
もう祠の中は見ないようにしようと思いました。