作家たちの話

「おーい、高郷ー」

石蔓は二つの部屋を探したが見つからなかった。残るは一つ。書斎だ。

ここで怖い話を探しているのかもしれない。ドアを開けて、一歩踏み入れた。

高郷の背中だ。

「あっ……どうしたんですか?」

「いや……何度も離れるから体調が悪いのかと思って……」

「大丈夫です!ちょっと探し物があっただけです……」

何かを一ヶ所に集めて机の下に置いた。ガチャガチャと金属がぶつかる音がした。

「見つかったのか?」

「はい。先に行ってください」

「わかった」

石蔓は高郷を置いて椿森のところに行く。

「椿森、高郷を見つけたぞ」

「どうだったの?」

「探し物、らしい。こんな洋館の物をあさってどうするんだよ……」

そう言ったところで、もしかしたら怖い話に使うのかもしれないと思った。道具まで使ってくるとは……!

「何を探していたのかしら……?」

「あいつより先に戻って、問い詰めてやろう」

ドアを手で押さえていた石蔓がいなくなると、ギギギと音をたてて閉まろうとする。
椿森はバッとドアノブを掴み、隙間に身を滑り込ませた。