家に帰ると、警察が集まっていた。
信一は立ち尽くした。どうしよう、俺がやったとわかったら……。

ゆっくりと近づく。すると、信一君かな?と聞かれた。
はいと答えるしかなかった。

テープの先に通され、両親の元に連れていかれた。

「信一!どこに行ってたの!?」

「勇太郎君の家……」

「何で書き置きも置かずに行ったの!?電話番号もわからないから……」

「すみません、まずは信一君に話を……」

声を荒らげる母を警察が抑える。

「信一君が最後に見たとき、妹さんはどうしていたかな?」

適当に答えれば人生が終わる……。信一は少し思い出すような素振りを見せた後、こう答えた。

「朝御飯を食べた後見ていません……」

「そうか……お母さんたちの部屋には入った?」

「……はい。ドアが開けっぱなしになっていて、中に入ると窓が開いていました」

「開いていた?」

「はい……お母さんが閉め忘れたのかなと思って、その後閉めました」

「それは朝御飯を食べた後?」

「はい。その後すぐに家を出て……」

「わかった、教えてくれてありがとう」

疑われていない……上手く嘘はつけたのか?
警察の話が少し聞こえた。近くに椅子があったからそこから乗り移ったのかもしれない……と聞こえた。

「窓の鍵は閉めましたか?」

「えっと……」

二人とも、鍵を閉めたかは覚えていなかった。

結局、椅子に乗りながら鍵を開け、身を乗り出して落ちたということになった。