「最後は元気そうでよかったけど……。霊よりも生きている人間の方が怖いこともあるよね」

「怖い解決法?ね……子供もいるのに」

椿森のように配慮する人間だけではない。恐怖とは、子供にも心臓が悪い人にも容赦なく襲いかかってくる。

「次は誰にするんだ?」

「はーい。良い話を思い出したんだ」

島矢が手を上げた。
良い話、という言葉は石蔓の頭の中で勘違いを生み出した。
これが、後で面倒な事態になる……。

「これは、ある兄妹の話……」