「……その後、どうなったんだ?」

「一日進んだ状態で目が覚めました。お母さんに聞いても、昨日塾の日だったことを覚えてすらいなかったんです。あの出来事はなかったことになっていました」

死ななかったことになり、そしてまた死ぬ。それを繰り返す。

「信じられねえよ!人が生き返るなんてことがあってたまるか!」

石蔓が、ガタッと音を立てて立ち上がる。

「生き返るというか……補填というか……」

「高時、その死んだ話をぜんぶ聞かせてくれないか?もっとあるんだろう?」

椿森がそう尋ねる。石蔓を座らせ、高時の目を見る。

「はい!」

こうして高時は、自分が死んだ話を聞いてもらえることになった。

「宿題を学校に忘れていて、取りに行った時に……」