作家たちの話

「引き返せ」
塾の行き帰りはいつも車で送ってもらっていたんですが、お母さんの仕事が遅くなるということで、一人で行くことになりました。

外は雪が降っていて、風も強かったです。傘をさそうとしたときでした。
住んでいる人はいないと思っていた家から、人が出てきたんです。

知らない間に引っ越して来たのかなと思いました。でも、泥棒とかだったら怖いので早足で離れました。

雪が傘にくっついて真っ白になります。視界も白くなっていって、前がわからなくなります。
いつも通りの道を歩いたはずなのに、自分が今どこにいるのかわかりません。
一度家に戻ることにしました。

雪が溶けて冷たくなった服を着替え、ストーブで体を暖めました。そして、雪が止み始めたのを見て家を出ました。

しかし、さっき引き返した地点で急に雪が激しくなりました。戸惑っていると、向こうから人が来ました。

しかし、私はゾッとしました。
なぜなら、人が住んでいないと思っていた家から出てきた人と、シルエットがそっくりだったからです。

自分はここで死ぬんだということがわかりました。
雪に負けないくらい白い肌で、背の低い男性が見えた後、意識がなくなりました。