作家たちの話

「壁の色の選択」
北校舎の三階、四年二組の教室の近くのトイレの一番奥を使ってはいけない。

なぜかと言うと、選択を間違えれば死んでしまうから。

「赤い壁がいい?白い壁がいい?」

そう聞かれて、白い壁がいいと答えれば何も起きずにすむ。

しかし、赤い壁と答えると壁を真っ赤にするほど血を出して死ぬ。

「何それ嘘くさーい」

「早苗ちゃんは信じないの?」

「うん。だって、この学校の中で死んだ人がいるって聞いたことないもん。そうだ!実際に聞かれるか確かめよう」

そう言って、早苗は立ち上がった。

「やめなよ!怖いって!」

「死んじゃうかもしれないんだよ!」

友達は引き留めようと努力したが、早苗は振りきった。
噂のせいか、一番奥のトイレには誰も入っていないようだ。中に入ってしばらくすると、あの言葉が聞こえてきた。

「赤の壁がいい?緑の壁がいい?」

しわがれた声が響く。本当だったんだ……けど、白が無くて緑に変わってる。

「緑」

死にたくは無いので緑を選ぶ。しかし、緑で何が起こるのか分からない。
何も起きないのかと思い、鍵を開けようとした。


すると、壁一面に緑色のカビが生えた。

「ぎゃあああああ!」

「早苗ちゃん!?」

心配して外で待っていた友達は、叫び声を聞いて駆け付けた。
早苗は泣きながらトイレから出て、手を一生懸命に洗った。あんなところで呼吸したから病気になって死んじゃうと泣いた。

カビは翌日見に行くと、きれいさっぱり無くなっていたそうだ。