作家たちの話

「誰が殺した雲野さん」
雲野 冬花(うんの ふゆか)ちゃんの遺体がトイレで発見された。
血まみれで、個室に閉じ込められていたという。


「学級裁判、開廷します」

学級委員長の加古屋 舞(かこや まい)さんがそういった。

ある事件のことでケンカが起きて、学級裁判で白黒ハッキリつけることになった。裁判はまあテレビで見るのを真似してる感じ。
先生にも言わず、放課後の教室で行われる。言うわけにはいかない。

だって、そんなことしたらこのクラスから確実に犯罪者が出ちゃう。

少年院に入ってて卒業式に誰か抜けてるとか嫌だし。

弁護側の意見は、雲野さんは子供を巻き添えにして死んでいない。なぜなら雲野さんが自殺する理由が分からないし、雲野さんと上手くいってなかった大坂さんなら雲野さんと子供を殺すだろう、という感じ。

大坂さんはやんちゃな子で、雲野さんと付き合っていた。カッターナイフを持ち歩いてたりとかなり危険だった。
けど、本当に人を殺せる人間なのかはわからない。

それに……証拠不十分なんだよねー。

やだなー裁判負けたら私たち悪者になっちゃうじゃん。

私の分析では、弁護側が負ける。完全敗北。いや、一審で勝っても二審から先にもちこまれると負ける。

ちなみに私、佐藤 美雨(さとう みう)は弁護側でございまーす。

もう、こんなことになるならさっさと雲野さんを切り捨てればよかった。
先輩の分際で私に逆らわないでほしかったよ。いや、逆らわれるより失敗されたことの方がダメージはでかい。

そんなことを考えていると、首に冷気がまとわりついた。
誰がやったのか心当たりはある。

実はこの裁判、雲野さんは子供を巻き添えにして死んだかハッキリさせるために開かれた。
てゆーか、検察側の意見の方が弁護っぽいよね。まあ子供だし仕方ない。

事件を説明すると、雲野さんは子供を連れて学校に来ていました。そして大坂さんと会いました。
ここまでは確実。目撃者いるから。この先が分かってないんだ。

雲野さん二十二歳は、大坂さん十歳との子供を連れてどうなったのか。