「おい何死んでるんだよ!」

「そういう冗談はよくないよ」

「いやほんとなんです!ほんとにやられちゃったんです!」

高時は必死に信じてもらおうとする。しかし他の四人はスルーして次の話に移ろうとしていた。

「失礼、喉が渇いたので飲み物を取りに行ってくる」

「あっ、ついでに僕のもお願いします!」

高郷が手を上げて言った。

「僕のもついでに」

「もう全員分のコップを持ってくるよ」

五人分のコップとお茶が入ったやかんを持って、椿森が戻ってきた。

「あったかいなあ」

「高時、もしかして猫舌なのか?」

「う……」

図星だ。十分に冷まさないと飲めないし、無理に飲もうとして飛び上がってしまったことがある。

「順番は変わってもいいと言ったな。すこし休憩させてほしい」

「わかりました。じゃあ、一つ飛ばして僕ですね」

高時は暖かいお茶に挑戦しようとしている。その様子を高郷は冷たい目で見ていた。

「心霊スポットに行った六人組の話です……」