「開けるな危険」
書籍化が決定したことはツイッターでも発表し、加筆修正前の作品のURLも載せていました。

すると、電子書籍を出版している会社から、他の作品を電子書籍化しないかと声がかかりました。その会社のことを調べると、大手ではないけれど評判も悪くなかったので話を聞いてみることにしました。

土曜日、電車に乗って指定された場所に向かいます。駅から出ると、比較的新しい家が多い住宅街が広がっていました。
スマホの画面を見ながら進んでいきました。道を間違えていなければたどり着いているところで、番地プレートを確認していきました。

すると、指定された場所というのは、新しい家に挟まれた古いアパートの一室だということがわかりました。
ここでやっと怪しいと思って、その会社のサイトを見てみました。会社がある場所は全然違うところでした。

騙された!
よく考えれば、ネットである程度仕事の話は出来るのだからわざわざ呼ぶ訳がありませんでした。
無駄な労力を使ったなと思い帰ろうとした時、電話がかかってきました。会社のなりすましからです。
きっとなかなか来ないから痺れを切らしたのでしょう。

頭に来て、もう二度とこんなことをしないように言ってやろうと思い、扉を勢いよく開けました。


私が見たのは、真っ白な顔の、背が低い男が正座しているところでした。
気味が悪くてさっさと出ようとしましたが鍵がかかってしまいました。
押しても引いても開かないし、鍵をどうやって閉めたのかも分かりません。

そうしているうちに奴は後ろに来ていました。

私は首を噛みちぎられて死にました。