「血眼」
夏休み、霧花はある洋館に泊まることになった。洋館を一週間だけ借りることが出来たからだ。

霧花は部屋に荷物を運びこみ、洋館の中を駆け回った。

「霧花が頑張ってくれたから、早く準備が終わったわ」

お母さんにそう言われ、霧花は上機嫌だった。
その後、霧花は中を探索する。扉はとりあえず開けて、棚もとりあえず開ける。部屋を確認しながら何をしようか考えていた。

二階はだいたい回り終えたので、一階の廊下の奥の方へ行く。
突き当たりには窓があることがわかった。レースカーテンの間に入って外を見ると、おばさんがホウキを持って隣の別荘の掃除をしていた。

ちょうどおばさんと目が合い、驚いた霧火はしゃがんで隠れた。

おばさんのことも忘れ、お昼ご飯の準備をしていた頃呼び鈴が鳴った。

「はーい」

お母さんが出たのを後ろから見ると、さっきのおばさんが来ていた。
どうやら挨拶に来たらしい。

霧花たちは別にここを買ったわけではない。お母さんがそのことを伝えるとおばさんは、そうだったんですかと言って口元に手をそえる。

山奥なので動物が多いから、深夜に音がするかも知れないと教えてくれる。
やっぱりいるんですねとお母さんが言う。霧花はどんな動物がいるのかが気になり、わくわくしていた。

それから、お母さんと少し話した後帰っていった。