作家たちの話

理科室の鍵は持っていなかったが、窓が開いていたので窓から入った。
棚にはホルマリン漬けが並べられている。

「うわっカエルだ」

川崎がガラスから見えるカエルを見つめる。

「このオオクチバス、卒業生が寄贈したみたい。自分で釣ったんだってさ」

「わざわざ釣ったの?変わった人だね」

霧島がそう言ってガラス越しにオオクチバスをつつく。コンコンと音がして、中のホルマリン漬けが揺れる。

「うわあ!」

川崎は驚いて仰け反る。

「ごめん、僕が動かしたんだ」

「何だよもう……」

山津と三宅は骨格標本を見ていた。何かが起きるのを待っていたが何も起きなかった。

「もう出ようぜ」

飽きた川崎がそう言った。外に出て、次はどこにするか話す。

「職員室行く?」

「プールとかはどうかな?」

「体育館は?倉庫とか色々ありそうじゃん」

山津が採用したのは川崎が言った体育館だった。何も無かったとしてもボールで遊べるからだ。