作家たちの話

年中開いている錆びた扉から入る。先生もこの扉の存在は知らない。

「開くんだろうなこれ……」

「大丈夫だ霧島、ちゃんと調べたぜ」

山津が扉を開ける。ギギィ……と不気味で嫌な音を立てて開いた。

「なっ、開くだろ」

霧島に開いている様子を見せる。そのまま進んで行くと、真っ暗な部屋だった。
ガタンと扉が閉まると三宅が驚いた。

「キャッ!」

「何だよ三宅、怖い話好きじゃなかったのか?」

川崎が三宅に言った。

「それとこれとは別だよ……」

川崎は、途中でリタイアしそうだなと思った。
山津が次の扉を開け、廊下に続いていく。窓の外の木が不気味に見えた。

「まず、音楽室に行くぞ!」

音楽室は時々誰もいないのに音がすることがある。怖いうわさも流れ、冬、暗くなったら音楽室に近づかない生徒もいた。
何が起こるかワクワクしていたら、山津がごめんと謝った。

「ごめんって何がだよ?」

「鍵、無いから入れない」

音楽室は全員楽しみにしていた。入れないことがわかると、川崎、霧島が怒りだした。

「はあ!?何でそんな重要なこと忘れとんねん!」

「期待してたんだけど。どう責任取ってくれるの?」

川崎はすぐに忘れるからいいとして、霧島は怒らせるとめんどくさい。

「もうやめなよ。別のところで楽しめればそれでいいじゃん。責任とか大げさな……」

八重がなだめて、何とか肝試しを続けられることになる。次は図工室だ。

「おっ開いてる」

山津がガラガラッと開けて中に入る。真っ暗で、像がいつの間にか動いていたりしそうだ。

「うわー真っ暗だからますます不気味に見える」

霧島が見ているのは、誰が描いたのかは知らない不気味な絵。黒や群青色の上に歪んだ人が描かれている。この絵の近くの席は人気が無い。

「電ノコとかが動いたりしたら怖いよな」

川島がそう言うと……本当に動いた。ほんの数秒だけだったが、誰も触っていないのに動いたので怖くなる。

「ぎゃー!」

「きゃー!」

全員図工室の外に出る。そして、顔を見合わせた。

「あははっマジ面白っ!肝試しに来たかいがあったよ」

八重は叫んで逃げたのに今は笑っている。

「三宅お前逃げ足速すぎだろ!出たのは最後だったけど」

「出口から遠かったし……」

川島はビビらせれば運動会で優勝できるかもしれないと思った。いつも走るのが遅い三宅が速く走れるようになるのはいいことだ。

「どうする?戻る?」

「俺理科室行きたいんだけど」

霧島は音楽室の次に理科室を楽しみにしていた。ホルマリン漬けや骨格標本など面白そうなものがある。今度は理科室に行くことにした。