雑木林の中を切り開いた道。これが私の通学路だ。
短いからまだいいけど、この時期は蚊が飛んでいるからさっさと抜け出したい。
この道を出たら、田んぼが広がっている。青々とした稲が風で揺れる。
私の家にも畑や田んぼはある。夏になると立派な夏野菜ができるし、お米にも困らない。この土地の唯一の良いところだ。
ぼろい柵に、今活動しているのかわからない議員のポスターがはられている。
錆びた缶が転がっていたり、ペンキが剥げ、手が割れている飛び出し坊やを見ると、田舎だなあと思う。放置された物が多すぎるんだ。
これが都会なら登校中におしゃれなお店を見て、今度ここ行きたいね、とか話すのかもしれない。
あー引っ越したい。
そう思いながら、楽しそうに畦道を歩くお姉ちゃんを追い越した。
「おはよー」
開いたままの扉から教室に入る。
親友の真弥(まや)と彩芽(あやめ)が話していた。
「おはよう深咲ちゃん!ねえねえ、おじちゃんが大坂から帰ってくるんだよ!雑誌に載ってたカバン持ってきてくれるって!」
「ほんとに!?」
近くに雑誌に載るようなブランドがないから、私たちはお金を渡して代わりに買ってもらっている。
そう、大坂に住んでいる真弥のおじさんに頼むんだ。
その方法だとすぐには手に入らないし、どうしても買えなかった、ということもある。
それでもこの方法は消えない。ネットで買うと送料とか入力がめんどくさいし、季節とかが関係ない物はこの方法を選んでいる。
「で、いつ帰ってくるの?」
「七月の十六日!つーまーり、明日!夏休みの初日!うぇーい!」
質問するとご機嫌な答えが返ってきた。
先生が話す夏休みの約束なんて頭に入らない。
何回聞いてきたと思ってるの?
それに、今の私にとってはカバンの方が重要。他人の田んぼで遊ぶなとか言ってる場合じゃない!
帰り道、両手に荷物を持って歩く。
素敵なニュースを聞けたと思ったら、こんな図工の作品を持って長い道のりを歩かされるとは……。
このだだっ広い、田んぼしかないような場所で、田舎嫌だー!と叫びたくなった。
短いからまだいいけど、この時期は蚊が飛んでいるからさっさと抜け出したい。
この道を出たら、田んぼが広がっている。青々とした稲が風で揺れる。
私の家にも畑や田んぼはある。夏になると立派な夏野菜ができるし、お米にも困らない。この土地の唯一の良いところだ。
ぼろい柵に、今活動しているのかわからない議員のポスターがはられている。
錆びた缶が転がっていたり、ペンキが剥げ、手が割れている飛び出し坊やを見ると、田舎だなあと思う。放置された物が多すぎるんだ。
これが都会なら登校中におしゃれなお店を見て、今度ここ行きたいね、とか話すのかもしれない。
あー引っ越したい。
そう思いながら、楽しそうに畦道を歩くお姉ちゃんを追い越した。
「おはよー」
開いたままの扉から教室に入る。
親友の真弥(まや)と彩芽(あやめ)が話していた。
「おはよう深咲ちゃん!ねえねえ、おじちゃんが大坂から帰ってくるんだよ!雑誌に載ってたカバン持ってきてくれるって!」
「ほんとに!?」
近くに雑誌に載るようなブランドがないから、私たちはお金を渡して代わりに買ってもらっている。
そう、大坂に住んでいる真弥のおじさんに頼むんだ。
その方法だとすぐには手に入らないし、どうしても買えなかった、ということもある。
それでもこの方法は消えない。ネットで買うと送料とか入力がめんどくさいし、季節とかが関係ない物はこの方法を選んでいる。
「で、いつ帰ってくるの?」
「七月の十六日!つーまーり、明日!夏休みの初日!うぇーい!」
質問するとご機嫌な答えが返ってきた。
先生が話す夏休みの約束なんて頭に入らない。
何回聞いてきたと思ってるの?
それに、今の私にとってはカバンの方が重要。他人の田んぼで遊ぶなとか言ってる場合じゃない!
帰り道、両手に荷物を持って歩く。
素敵なニュースを聞けたと思ったら、こんな図工の作品を持って長い道のりを歩かされるとは……。
このだだっ広い、田んぼしかないような場所で、田舎嫌だー!と叫びたくなった。



