「何でしょう……笑ってしまいます」

「何でそんな顔になってしまったんだよ……もっと違う顔があっただろ!」

幽霊の真実を知ると、怖い話ではなく面白い話になっていた。

「でも、実際に見ると怖いかもしれないよね?」

「遭遇しても、逃げる程怖くはないわ」

怖がられなかったら、幽霊は成仏できていなかった。
あの男の子が遭遇したのも運命かもしれない。

「次は誰にする?」

「私が話してもいい?」

反対する人はいなかった。

「脚本家の大林 美喜子(おおばやし みきこ)は子供を産んだばかりだった……」