「ポストに手紙を入れ、もう一つの居場所に入ってしまったからこうなったのでしょうか。自分の存在に気付いてくれた、と思って……」

「遊びってどんなことだろうね。校舎の中だから、出来ることも限られてくるし……」

「鬼ごっこをしてそうね。新しい校舎がボロボロになっても続けているかもしれない。入ってしまったことを後悔しながら、ずっと繰り返すのね……」

終わりが来ない、というのは恐ろしい。
少女は何故校舎と家に縛られているのか、遊びとは何なのか、それは想像に任せる。

「さて、次は誰だ?」

「はーい」

島矢がランプを自分の前に持ってくる。

「眼鏡をかけるようになった人の話……」