一匹少女が落ちるまで



「あなたのことを思って勉強を見てあげようとしてくれたんですよ?」


「だから頼んでねーって言っただろ」


「だったら、心配されないようにすればいいじゃないですか」


「はぁ?」


俺が突然赤羽を連れてきたことに、戸惑っているのは紫月も赤羽と同じはずなのに。


彼女は今、俺をフォローくれようとしている?



きっと紫月だって、いきなり赤羽を連れて来られて迷惑極まりないはずなのに。



「紫月、もういいよ。俺が悪いし」


俺はそう言って紫月を止める。