一匹少女が落ちるまで



私は、最高の特等席に座ると、デスクに頬を置いた。


ひんやりと少し冷たくて、それがまた落ち着かせる。


目をつぶって、ここでの思い出を鮮明に思い出す。


本の中の物語を想像するのが得意だから。


理央との思い出だって、まるで今そこで行われてるみたいに思い出せる。



理央が突然やって来て…。


隣にいきなり座り出した。


ほんのり柔軟剤のいい香りがして、


でもその時の私にとってそれは不快の材料でしかなくて…。


今思うと、なんだおかしくなってしまう。


あの時はこんなにも大切な人になるなんて思っても見なかったから。



理央の横顔とか、襟足とか、手の形とか、すぐ横で見ていた彼の景色を思い出す。


また涙が流れそうになって。


本当、私は泣き虫になったな。



そんな風に浸っていると、


微かに風が吹いた気がして。




「…ねぇ」



そんな声が聞こえた。