一匹少女が落ちるまで



「…もしもし」


『あ、紫月』


「…はい」


普段と少し違う声の理央にまたドキドキして。


全然慣れない。


慣れるどころか、ドキドキは日に日に増していって、このまま死んじゃうんじゃないかと思うくらいだ。



「どうしたんですか?」


明日の予定を確認とか、宿題のこととか。


理央が私に聞きそうな話題を考えて、答えられるように頭の中で備える。



『うん。忙しかったらごめん』


「大丈夫ですよ。今はゆっくりしてます」


『そっか…よかった』


「…それで」


『うん。あのさ紫月、怒んないでよ』


「…一体なんですか」


また何を言い出そうとしてるんだろうか…。

どうせまた悪口に近い何かを言われる。

そんな覚悟をしてると、理央が少し「うーん」と考えて口を開いた。


『…声、聞きたかっただけ』



「……っ!」