一匹少女が落ちるまで

「…男の子だけど」


「きたぁー！紫月の口から初の男子の名前！それで？どんな子なの？紫月の好きな理央って奴はよ！」



『ソノちゃんはいっつも恋バナに持っていこうとするよね！』



そんな星花の言葉が頭をよぎる。



あ…そういうことか。



「園子が期待してるような話じゃないよ」


「え？」


「邪魔されただけ。至福の時間を。それも私の大事な時間を邪魔した理由がただの暇つぶしだっていうんだもの」


「なにそれサイテー」


さっきのキラキラした表情をガラッと変えて、今度は眉間に皺をよせる園子。