一匹少女が落ちるまで


【side 紫月】


「…まぁ、、それで…全て解決ってわけ!」


「……」


夏休みまであと1日。


明日に終業式が迫る今日。


久しぶりに向かった図書室には、私よりも先に彼が席について、本を開きはじめた私にお構いなくしゃべりだした。


理央のお父さんは、あれから色々考えたみたいで、理央にバスケを無理強いさせたり、お兄さんに圧力をかけないようにするって決めみたい。


あれから、理央のお父さんとうちのお父さんはよく飲みに行ってるみたいだし。



ホッと一安心だ。


「そういえば今日のお昼、城ヶ崎が山岡のこと呼び出してたな…なんかあるのかな〜」


わざとらしく語尾を上げながら伸ばす理央。


相変わらずこんな人のことが好きだなんて、自分を疑ってしまう。


「理央、うるさいです」


「…あれ、独り言だったけど聞こえてた?」


「……今のが独り言の音量だと思うなら専門の施設で検査を受けた方がいいかと」


「んだとー。そういう紫月だって、最近すぐ気が散るようだけど、もう少し集中力培った方がいいんじゃない?……ひっ、ごめんごめん」



私がキッと睨むと、理央は慌ててそう謝った。


気が散るのは、隣にいるのが理央だからで。


もうずっと前から、本の内容なんて頭に入っていない。


本のページが毎日テキトーなのを、理央にバレていませんようにと願うばかりだ。