一匹少女が落ちるまで



「……」


「…は、理央?」


俺のセリフを聞いて黙ったままの理央に、顔を上げて名前を呼ぶと、彼は後頭部に手を置いて、目をキョロキョロとさせていた。



「…あ、ごめんっ…俺、俺てっきり…山岡にはずっと嫌われていたんだと思ってたから」



「は?」


「…だから、今の…すげー嬉しかった」



少し笑った理央のこの顔は『照れている』ということなのか?



「…きもい」


「ひど…今最高に仲直りの瞬間なのに」


「…なんだよそれ、俺はまだライバルだと思ってるからっ」


「越えてみせろよ!」



────シュッ



理央はそう言って、俺にボールを投げた。


そして、嬉しそうにまた笑ってから深呼吸をして、


ゴールを見つめたまま口を開いた。



「山岡、お前にはちゃんと話しておきたいんだ。聞いてくれるか?」



「…なんだよ、改まって」



「実はさ…」



そう言って、理央は窓のある木製デッキに座って話し出した。