一匹少女が落ちるまで



「なんで、辞めたんだよ」


ずっと思ってたこと。


俺は小さな声でそう聞く。


理央がバスケを心から好きなのを俺は知っていたつもりだった。


嫉妬と妬みで、歪んだ見方をしていたけど、
理央と友達になれた時の最初の気持ちだって嘘じゃないから。


「誰かのためにやるバスケは嫌だったんだ。バスケだけじゃない。勉強だって友達を選ぶのだって。もう少しで嫌いになるところだった」



「……」



「父さんが怒るからとか、兄貴の代わりにとか、みんなのためにとか、もう全部に疲れてて…逃げ出したかった。そんな時に紫月に会ったんだ」


「…雨宮?」


───シュッ


「あぁ、」


理央は俺にボールを投げてから、そう答えた。


「あいつ、嘘つくくらいなら死んだ方がマシだって言ったんだよ」


「……」


「それ言われてなんか、自分の人生なんだから自分のしたいように生きないならそれは死んでることと変わんないのかもって思って…今までの嫌な自分を変えたいって思ったんだ」