一匹少女が落ちるまで



「そーかもな。おかしいかも。でも、雨宮たちといて楽しいってちゃんと思えるんだよ」


「……」


「キャラじゃないから言いたくねーし、少し前の俺なら本当どうでもよかったんだけど、中学の頃からお前ら2人が一緒にバスケしてたのは見ていたし、なんて言うか、ちゃんと腹割って話せばって思う」



嘘だ。


そんなこと思うわけがない。


みんなそうだ。


きっと、俺のことなんか、理央の金魚のフンだと思ってるに決まってる。



「…俺、理央のことずっと嫌いだけど。努力しないのになんでもすぐにやってのけるあいつが…」



『いなくなって清々したわ、理央』



あれは絶対に俺の本心だった。



本当の自分を見せない理央が大嫌いだった。


ずっと俺ばかりが友達だと思ってるみたいで。


俺たちの関係は初めから上部だけだ。




「多分、それは違うぜ」


「はぁ?」


ほんっと、赤羽はお節介な奴に変わってしまった。



「嫌いだっていうけど、お前がやってきたこと全部、桜庭のためになってる」


「……」


それはきっと偶然だ。


俺は本当に、あいつのことが…。



「桜庭、8時に体育館にいるってよ」



「は?」


赤羽は俺の肩を3回トントントンと叩いてから
ゲームセンターを後にした。



なんだよ…。


行くわけないだろう…。