「好きなら、彼女が幸せなのを心から喜んでやれば?」


「……」


「黙ってたら全然わかんねー。何が理由で、桜庭の親父に桜庭のことチクったんだよ」



────っ?!



歩いていた足を思わず止めてしまった。



「…あぁ、やっぱり城ヶ崎よりも桜庭取られたことの方を怒ったんだ」



────っ!!


「…黙れっつってんだよ!!」


───ガンッ



俺は、勢いよく彼の方へ走り寄ると強く彼の胸ぐらを掴んでからコインゲームの機械に赤羽の体を強く押し付けた。



「…すげー怒ってんじゃん。店員にこんなところ見られて学校に連絡でもされたら、それこそお前学校戻れねーよ」


まだ薄笑いを浮かべたままの赤羽にムカつくが、俺は仕方なく彼を解いた。



「…なんのつもりだよ」


「学校、来いよ」


「はぁ?」



まさかあの赤羽がそんなことを言うなんて。



信じられなかった。



「…お前もあの女といるようになっておかしくなってんじゃねーの」