一匹少女が落ちるまで



「…ごめんなさい。落ち着かせるつもりが」


「ううんっ…!」


私の腕の中で、新山さんはブンブンと首を横に振った。


「違うっ。初めてで。自分のことも、ママのことも褒められたの。それで…嬉しくて…また泣いちゃって…」



「そうですか。良かったです」



「……桜庭くんが、雨宮さんと同じストラップなんてくれちゃうからさ…なんか勝手に友達になれた気分になって…こんなに話したの…初めてだよ」



一生、誰かに深入りしたり、誰かの支えになんてなれないんだと思ってた。



私には園子だけがいればいいって。


でも、まさか。


友達になれる人が、私の人生で現れるなんて。


すごく嬉しくて、顔がほころんでしまいそうになる。



「…私は、なりたいですよ。新山さんが良ければ、お友達」



「……えっ」



離した腕から、ひょこっと顔を出した新山さんはまつげをまだ濡らしていて、暗闇でそれが光って余計可愛らしく見えた。