一匹少女が落ちるまで



こんな気持ち、さっさと眠って忘れてしまおう。


私らしくない。


今まで、人のことに対しても自分のことに対してもなんとも思わなかったじゃない。



消灯時間が迫り、新山さんが部屋の電気を消したタイミングで、私も布団の中に入る。



「…雨宮さん」


「はい」



少し離れたベッドから声がして、私は返事をする。



「私の話をしても…いいですか?」



新山さんが遠慮がちにそう聞く。



「はい、いいですよ」



「…よかった。…えっと、」



ベッドは離れているし、周りは真っ暗。


お互いの顔はよく見えていない。



「私ね、桐ヶ丘の制服が着たくて受験したの。あと偏差値も高いし、いい大学を受けられるから」



「はい」



「まぁギリギリで受かったもんで、今もついていくのに必死なんだけど…でもね、1番ここを受験しようって思った理由が……」


新山さんは少し黙ってから、また静かに口を開いた。