一匹少女が落ちるまで



「でも本当…桜庭くんって本当優しいよね」


城ヶ崎はテーブルに頬杖をつくと、お冷の氷を見つめながらそう言った。


「…えっ?」



「だって…雨宮さんが1人でかわいそうだから、グループに入れてあげたんでしょ?せっかくの修学旅行、普通だったら仲のいい子たちと同じ班になりたいじゃん。雨宮さん、桜庭くんに感謝しなきゃね」



紫月は何も悪くないのに。


感謝するのは俺の方なのに。


俺はいつだって、こんなことを城ヶ崎に言わせて、紫月を傷つけている。



「別に…かわいそうとかそう言うことじゃなくて…」


「感謝、してますよ。すごく」



誤解を解くために話そうとすると、俺の向かいに座る紫月の声が俺の声を覆った。