一匹少女が落ちるまで



──────


ガチャ


「…え、なんでうつ伏せ」


部屋で横になってると、部屋のドアが開いて赤羽の声が聞こえた。



赤羽が帰ってきた、と思ったけど、俺はベッドの枕に顔を押し付けたまま動かない。


っていうか、動けない。


今俺は、さっきの紫月を思い出しては勝手に顔を熱くして、勝手に恥ずかしがって、とりあえず、赤羽に見せられる顔じゃない。



「なに、雨宮に振られた?」


…っ?!


赤羽には安定してすぐ気づかれる。


俺の情緒の浮き沈みは全て紫月からくるものだと彼は知ってる。



「告ってないし」


「あー告白してないのに振られる的なやつ?あるよねそういうの」



「ちげーよっ!!」



────ボフッ


「…っ…痛いんだけど」



勝手なことをペラペラ話す赤羽に思わず、顔を押し付けていた枕を投げてしまった。