一匹少女が落ちるまで


【side 理央】


『ずるいな』


俺のその声は、紫月に届いていなかった。


どうせ俺は顔を赤くしてるし、彼女のことが好きだってことは言わなくても大抵の人なら気づいてしまう。


『ありがとう』
なんて。

それはいつだって俺のセリフなのに。

彼女にあんな顔で言われたら、余計好きが積もるしかないじゃないか。


普段の学校でさえも、紫月が可愛く見えてしょうがないのに。


お風呂上がりで、しかも肩にタオルなんかかけちゃって(俺が勝手にかけたんだけど)


だから、少し卑猥な目で彼女を見ちゃうのとか。


本当にずるいよ、紫月。