一匹少女が落ちるまで



「バカ。風邪引くって。紫月のことだから、ドライヤー他の女子たちに占領されて使えなかったとかだろ」


「……」


何も言えず、私は顔を俯かせたまま動かなかった。


本当のことだから。


理央には、わかっちゃったんだ。



「どう?新山さん」

ガシガシと私の髪をタオルで乾かす理央の手は、すごく気持ちがいい。


誰かの髪をこうして乾かしたことがあるんじゃないかと思うくらい、程よい力加減で…。


って、何言ってるんだろう、私。



「いい子で、楽しいです」


「そっか、良かった」


学校の図書室にいる理央は、私の邪魔ばかりしてくる子供っぽい人だったのに。



今日はなんだか、少し大人っぽく見える。