一匹少女が落ちるまで



「紫月っ!」


お風呂上がり、1人で階段を上っていると後ろから聞きなれた声に名前を呼ばれた。


「理央…」


彼もお風呂を終えたばかりなのか、髪の毛がまだ濡れていて、いつもの理央じゃなくてなんだか変な感じがする。


「1人?」


理央は2段飛ばしで階段を上って、私のそばに立つと、そう首を傾げて聞いてくる。


「あ、新山さんはクラスの子達と話していたので、待ってるのも変だし…先に帰ってきました」



「そっか…。紫月、髪、まだちゃんと乾いてないじゃん」



「あ、大丈夫で……っ」



──っ!?



突然、理央が自分の肩にかかったタオルで、私の髪の毛をガシガシと少し雑に乾かし始めた。



「り、理央…大丈夫ですよ?」