一匹少女が落ちるまで



「ねっ!気持ちいいでしょ?」


枕を抱いてこちらを向いてる新山さんは、布団に寝転がった私を見て、嬉しそうにそう笑った。


「…うん」



目の前にいる彼女があまりにも楽しそうに笑うもんだから、こっちも自然と口角が上がる。



「こんなことうちでやったらママに絶対怒られるもん!私のママ、怒るとすっごいめんどくさいの!雨宮さんのお母さんは?怒ったりする?」


体を起き上がらせて、ベッドに座ってから新山さんがそう聞く。



「…怒ってるところをあまり見たことないです」


「えー!羨ましいな〜!私のママなんてすっごくうるさいよ?勉強しなさいとかお手伝いしなさいとか。今やろうと思ってた!って言い返しちゃうからまたそこで大きな言い合いになっちゃって」


そう言いながらも、新山さんがどこか楽しそうに見えるのは気のせいだろうか。


ううん。


違う。


お母さんの話をする新山さんはすごく、生き生きしている。