一匹少女が落ちるまで



「だから、ありがとう。理央」


彼女がそういって、俺に少し笑いかけてくれる。


あぁ、可愛い。
なんて。
ちょっと前は絶対に思わなかったことなのに。



「…紫月」


誰がなんと言おうと、俺の中で紫月は、確実にどの女の子よりも可愛く見えていて。


失いたくなくて。


まだ手を離さない彼女のぬくもりをずっと感じていたくて。


「はい」


俺の心臓は自分でもびっくりするくらいドキドキしているのに、そんな俺とは対照的に、彼女はいつもと同じ声のトーンで、そう返事をした。


それがまた俺を心地よくさせて。


「…チューしたい」



俺は彼女の瞳を見て、まっすぐそう言った。