一匹少女が落ちるまで



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「…キャッ!!」


「…新山さん、見かけによらずこういうことすんのが趣味なんだね。意外」


俺は、目の前で大きく目を見開いて驚いている女子にそう声をかけた。



「…さ、桜庭…くん…」



俺は、廊下を曲がってすぐ、その曲がり角で誰かがやってくるのを待ち伏せていた。


そうしたら案の定、予想していた人が、青ざめた顔でこちらをみていた。


新山 心。
彼女のことを話すのはこれが2度目だ。

一度目はそう…。

初めて彼女と目があった時。


あの日から、俺はなんとなく彼女の動きを見ていた。


そしたらやっぱり。


「ごめんなさいっ、ごめんなさいっ!私、…桜庭くんが雨宮さんと赤羽くんといるところみんなに絶対言わないのでっ!その…本当に…ごめんなさい」


彼女は、目に薄っすら涙を浮かべていて、それが例え演技だとしても、なんだか可哀想で、さっき強い口調で話したことを少し申し訳なく思う。