(今宵はサラディア様の晴れ舞台。

お付きの奴隷が化粧を施し、晴れ着に着替えさせる。

会場にはすでに婚約者が待っている。)

イリア「サラディア様、今宵お会いになる方とどうしても結婚なさらなくてはならないのですか?」

サラディア「お父様の決めたことには逆らえないわ。
あなたも分かるでしょう?
それに、今はこの話はやめませんか?
お互いのためにも。」

(サラディア様は美しくも儚い、悲しみに満ちた笑顔でお答えになられた。)

イリア「申し訳ございませんでした。」

(私は幼い頃からサラディア様を慕ってきた。

だが、彼女はいずれ一国の主人となるお方、反対に私は奴隷。

どう足掻こうと決して結ばれることはない。

これが運命。

これが定め。

私たち二人が乗り越えなくてはならないもの。)