そう言って私達は券売り場に向かった、そして絵美がポスターを指差しながら口を開く。


「ほら皆あの映画よっ、ラブロマンス~」


「はぁ~っ!?あんなの見るのかよっ」


「何言ってるの本道っ、前もって言ってあったでしょっ?」


「はぁ~聞いてねーよっ」


「言ったって~」


珍しくカイと絵美が言い合いを始めて、カイが違う映画がいいと言い出してきた。


「とにかく俺はあんなのヤダねっ、あっちのホラーがいいっ」


「なんなのよそれ~あっ…!じゃあ~本道はあっちの見たらいいんじゃない?宇美とっ」


「はぁっ!?ちょっと絵美、何で私もホラー!?」


「だって、本道一人ってのもかわいそうだし、ほらっ時間も10分違いだし~」


とんでもない事を言ってきた絵美に、私があたふたするばかりでいると、カイに腕を引っ張られる。


「ちょっと、カイっ」


「いいじゃねーかよっ、おまえはホラーに付き合えっ」


「え~!?」


すると、さっさと券を買いに行ったカイを見ていると、肩をポンッと叩かれた。