「……えっ!?なっ…何言ってるの?水内くん、そんなの無理だよ…」


「そっかぁ、やっぱり純粋だね…咲原さんは」


「そんなんじゃ……でも何で私とデート?しかも“野球部が負けたら”って…」


「うーん、だって彼、本道はライバルみたいだからっ」


「ライバル?そんな…カイと水内くんは全然違うよ」


「それはどうかな?じゃあとりあえず、試合が終わったらまた聞くよ」


「えっ?だからっ…」


「これは僕が返しておくよ、それじゃぁ」


そう言って水内くんは、私の持っていた本も持って本棚の方へ歩いて行ってしまう。


水内くん、一体どういうつもりであんな事…?

私の事からかってる?


そんな人じゃないと思うけど、だっていつもみたいに笑ってなかったし…。


よく分からない。