「あ~あ、どうしてこうなんの?」


「はっ?プラスとプラスだから?」


「はぁ……」


「それより一平、たまに年寄りくさい事言うよな?」


「おまえらよりは精神年齢が上だからなっ」


「はぁ?」


「おまえさ、本当に分からないのか?それとも…分かってないフリしてるのか?」


「……あのなっ、ピッチャーがそんな簡単に心読まれてたまるかよっ?」


「……そうかよ」


そして教室を出た私は、絵美を探してるつもりだったけど、いつの間にか考え事をしながら歩いてるだけだった。


はぁ~何でこうなるの?


プラスとプラスだから?


“マイナス”になるってどういう…?


気づけばカイの事ばかり考えている自分に、私は気づいていないフリをしていた。