『杉浦実里さま
こんにちは。
手紙ありがとうございます。
とてもビックリしたけど、実里ちゃんのことはもちろん覚えています。
俺も実里ちゃんからもらった手紙をしまってあって、久しぶりに読みました。
俺が引っ越す時に、いっぱい泣いて、行かないでと言ってくれた実里ちゃんの顔を今でもときどき思い出します。
でも、こうやって俺のことを覚えていてくれて、手紙をくれて、本当にうれしい。
ありがとう!
今年からお互いに高校生だよね?
実里ちゃんの高校生になった姿をどんなに想像しても浮かばないけど、入学おめでとう。
楽しい高校生生活を送れるといいね。
それでは、また。 朝倉唯月』


たった1枚だけの手紙だけど、5才の頃の唯月くんの笑顔が浮かんで、心がじんわりと温かくなった。

手紙を読んで、唯月くんと別れる時に泣いたことを思い出す。

引っ越しする当日に唯月くんの家まで行って、出ていくところを見送った。