結ぶ~思い出の手紙から~

夏休みとはいえ平日だからか、お客さんが少なくて空いていた。


「涼しいところに入るとホッとするね」


「うん。立っているだけでも暑いのに、歩くともっと暑いから汗が止まらなくなるよね」


額の汗をハンカチで押さえて、笑う。

ハンバーグランチを食べながら話すことは手紙で書いていたことやお互いの学校のこと。

もう最初の緊張感はなく普通に会話が出来ていた。唯月くんは私のどんな話でも真剣に聞いてくれるから、本当に嬉しかった。

それに唯月くんの話を聞くのも楽しかった。


「そうだ。さっき買ったハガキ、今書かない?」


「今? あー、うん! いいね、記念になるよね!」


お互い見えないようにして、目の前にいる相手に書く。チラッと唯月くんを見ると、少し口元を緩ませながら書いていた。

何を書いているのか分からないけど、届くのが楽しみになってくる。私も唯月くんに喜んでもらえるように書こう。

悩みながら書いたから、唯月くんよりも書きあがるのに時間がかかってしまった。