結ぶ~思い出の手紙から~

7月生まれだった子は四人で、そこには唯月くんもいた。


「うん、同じ7月生まれだよね。何がいいか迷ったんだけど、ちょっとお土産にもなってしまうんだけど」


なんだろう?

唯月くんに開けてみてと言われて、受け取った小さな紙袋を開ける。さらにビニール袋が入っていて、その中にヘアピンが二つ入っていた。


「わあ、かわいい!」


「そういうの買うの初めてで緊張したんだけど、写真の実里ちゃんに似合いそうだなと思って。加賀水引っていう伝統工芸品なんだ」


お祝い袋の飾りに使われている水引は見たことがあるけれど、それがヘアピンにもなるなんて知らなかった。

丸い花の形をしていて、色も白と水色で、かわいい。


「つけてみるね。……どうかな?」


「うん、似合ってるね。かわいい」


「あ、ありがとう」


かわいいのは私ではなくて、ヘアピンのことだと思うけど、ストレートな言葉に照れてしまう。

でも、嬉しいから今日はずっと付けていよう。