もう二度と会えないということがとても寂しくて、寂しくて、離れたくなくて、唯月くんの腕も掴んで泣いた。

あの頃の私は素直だった。嬉しいときは笑い、悲しいときは泣き、悔しいときは怒った。感受性豊かな子だったと少し前に母が言っていた。

成長していくなかで、我慢することを覚え、何でもかんでも感情を表に出すことを躊躇うようになった。

高校生になった唯月くんに会いたいな。唯月くんもきっと成長している。

だけど、簡単に会いたいと言ってしまっていいのか悩む。唯月くんがあの頃と変わらず、優しくて頼まれたら断れない性格だったら…

会いたいと言う私の気持ちを迷惑だと思いながらも会おうとしてくれるじゃないかと思う。

無理に会うのではなく、唯月くんも会いたいと思ってくれないと会えない。

それに同じ日本とはいえ、石川県は遠い。

昨日買ったばかりの便箋を机の上に置いて、どう書こうかと悩んだ。まずはお礼から書こう。