そのコートの向こうで、君が待ってる。

 






強くなりたい。
自分の強味を生かしたい。
そう焦がれる程に
私の中はひねくれていく。

 
       



入っている子達に媚を売って
大口開けて笑って、
おどけて抱きついたりして。







友達関係を押さえておけば
学校生活に支障はない。

     




私が歩いていきやすいように
夏希を陥れたのは私だ。








夏希はバカ正直だった。
そして、不器用も加わって
いい駒みたいなものだった。







彼女の学校生活から、
彩りを取り去ったはずだった。
全てものは、私に来たはずだった。







予定は狂っている。
彼女は、へこたれない。
バレーにはずっと向き合い続けるし
その瞳から生気を無くさない。









あそこに入りたいって
切に願って努力だってしている。






彼女から、私は上部しか剥ぎ取れなかった。
彼女には、私は勝てない。
バレーでは、勝てない。







風華、そう呼ばれて反対側でセンターに入って
レフトに入れられたあなたを見て
口角が上がった。







私は、彼女と渡り合えないけど
彼女が持たない長所も持ってる。
努力なんとかでいけない長所。
身長。








いつまでも真っ直ぐでいられるわけがない。
私が入らなきゃ、ダメだ。
そうしないと、見るだけで目障りな
努力家でいつか全てを越していきそうな
あの思いきりのいい笑顔が
また復活しちゃう。









私のために、私が歩いていきやすいように
空いた場所には、私が入らなきゃ。