JUN-AI 〜身がわりラバーズ〜

車が止まると、窓が開けられてるようで…

新春の凛とした風が頬を滑って、
仄かな潮の香りを漂わせた。



「着いたよ?

目ぇ開けて、外見て」


言われるがまま瞳を開いて。

映した世界に…



心臓がドクン、と。

目醒めた音がした。



神々しくて、この上なく優美な景観が…
私の感覚に、ズワァァと拡がって。

思わず息をのんだ。




夕陽が照らす、その海岸は…

ロゼワインの海と、縞模様の干潟との絶妙なコントラストで織り成され。


幻想的で、切ない情景に…

心がジンジンと震えて。
眠っていた熱い何かが込み上げてくるよう…




生きてたくなんかないのに。
生きてるからこそ、込み上げる感動。


なぜだか涙が零れて…

切なくてたまらなくなった。




「俺の1番好きな景色なんだ。
寒いけど、降りてみない?」

その声かけに。

慌てて涙をキュッと拭って、頷くと。


駐車場に移動した車から降りて、惹き込まれるようにそこに向かった。