JUN-AI 〜身がわりラバーズ〜

それから、秀人をランチに誘い出すと…


「…彼氏と、なんかあったのか?」

響の事をそう呼ぶようになったその人から、誘ったわけを心配そうに伺われる。


「ううん、そうじゃなくて…
秀人にちゃんとお礼が言いたくて。

色々と、ありがとね」

そう握手の手を差し出すと。


「別にっ、俺は…」

戸惑った様子で、そっと触れてきて…
ぎゅっとされる。


なぜだか、切ない想いが込み上げて来た。



「…秀人には、言い尽くせないほど感謝してる。

ずっと自分の事で精一杯だったから、色んな事が見えなかったけど…


でも。

秀人が支えてくれなかったら、今の私はなかった。



だから…

今まで本当に、ありがとうっ…」


高まる思いに、じわと涙が滲んで…
いつしか私も、ぎゅっと握り返してた。


それは、目の前のその人も同じようで…
握られた手がさらに締め付けられていく。

そして、自分に滲んだものを誤魔化すように…


「…っ、俺はなんもしてねーよっ。

っ、よしっ…
このまま腕相撲でもするかっ!」

いつもの調子で、明るく切り替えられる。