JUN-AI 〜身がわりラバーズ〜

「なのに俺には何も出来なくてっ…

憧子はただ毎日、ボロボロに泣き崩れててっ…
抱き締めても人形みたいでっ、心なんか失くしてて…

本当にこのまま、粉々に壊れてしまうんじゃないかって…
どーする事も出来ない苦しさでっ、気が狂いそうだったっ…!」


秀人の震える声を耳に…

たまらなく込み上げる嗚咽を、必死に押し殺した。


夢で思い出した、気が狂いそうに泣いてる姿が浮かんで…

いつも明るくてハイテンションな姿の裏に、そんな苦しみを背負い込んでいたんだと。

胸が抉られる思いだった。



もしかしたら、大丈夫だからと慰めてくれてたその言葉は…
心配でたまらなかった秀人が、自分にも言い聞かせてたのかもしれない。

そう思って、さらに涙に襲われる。




「…ほんとは俺が立ち直らせたかった。
幸せに、してやりたかった…

でも今幸せなら、それでいい。

憧子をここまで立ち直らせてくれて、ありがとなっ…」


「っっ…

俺の力じゃ、ありません。

今の話や、取り乱した時の様子から…
俺が出会った時にはもう、かなり立ち直ってた状態で。

俺はただ、そのために頑張りすぎて疲れきってた憧子さんに、一息つける場所を提供したにすぎません」